• - 成り立ち -

    Thymioの歴史と思想

    これまでの経緯

    現在のバージョンであるThymio IIは、最初のThymioロボットの進化系です。二つとも、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)とローザンヌ州立美術学校(ECAL)のMOBOTSグループの協力の元で開発されました。

    Asebaは、当初はStephane Magnenat教授の博士号議題として、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のMOBOTSグループと、その後スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)の自律システム研究所で、研究者にマルチプロセッサーロボットを簡単に操作できるようにするために開発されました。

     

    2008年のEPFLのロボット工学フェスティバルでの低学年へ向けた成功を踏まえ、Thymio IIに適したプログラミングインターフェイスと決定されました。2012年に、VPL(Thymio II用の新たなビジュアルプログラミングインターフェイス)はプログラミングとロボット工学を誰にでも気軽に楽しめる環境を整えました。

    Thymioの目的

    Thymioは、社会(特に子供達)に向けて、コンピューター思考、ロボット工学、エンジニアリングとデジタルテクノロジーを学び研究する機会を与えることを目的としています。Thymioは、ロボット工学と教育の分野で活動する、様々な個人や企業を結びつけます。教育機関、教員、デザイナーや産業企業などの協力のもと、学習目的に適したロボットにすることが出来ました。

     

    Thymioは、充実したインターフェイスをお手頃な値段で提供します。センサーをたくさん持ち、自由度も高く、慣れるのも簡単です。AsebaやVPLプログラムによってThymioの内部にアクセスし、プログラムすることが可能です。Thymioは、年齢を問わない理解のしやすさこそがプログラミングとロボット工学には必要であり、そのことにより、テクノロジーが大部分を占める現代社会の仕組みをより理解できると考えています。

    基本的な考え

    様々な専門家を結びつけることこそがThymioの成功の鍵です。知識と情報の自由な共有のおかげで、協力者それぞれの強みを合わせてユーザーに独特な教育と楽しい経験を提供することができます。

    全てのハードウェア、ソフトウェア、ドキュメンテーションは、オープンライセンスにより様々なパートナーにより開発されています。これにより、それぞれのパートナーは、誰にでも理解でき、再利用又は変更できるように、開発中データを含めた情報を無償提供しています。

     

    コラボレーションにより、それぞれの協力者が得る利点:

    • 研究機関は研究結果をより幅広い層へと発信できます。ユーザーの数が多ければ多いほど、研究と改良の道が開けます。研究の結果は素早く反映されます。
    • パートナーは、量産体制に近い、完成度の高い製品にアクセスできます。特許などのコストも減り、製品は科学的に証明されています。パートナーは全ての知識を無償提供し(設計、図面、作業データなど)、製品を販売します(ロボット、アクセサリー、プリント、教科書など)。
    • 貢献した人は、より大きなプロジェクトに参加できます。関与の方法や規模を自由に定め、アイデアを出し、大きな規模で携わることができます。
    • ユーザーは、教育環境と資源を低コストで確保でき、更にたくさんの無償リソースやプロジェクトの動きを見たり、製品のライフサイクルバリューを実感できます。

    また、オープンソースの哲学に基づいて、下記の方法を選びました:

    • ソフトウェア: ソースコードはLPGLライセンスのもと共有されています。
    • ハードウェア: 回路図を含むデザイン資料、CADパーツのデザインなどはオープンハードウェアライセンスCC-BY-SA 3.0にて共有されています。
    • ドキュメンテーション、アクティビティ、カリキュラムは同じくCC-BY-SA 3.0にて電子的に共有されています。

     

    オープンソースモデルはソフトウェア開発で有名です(Linux、OpenOfficeなど)。しかし、ハードウェアでの利用は生産コストの存在で難しいです。よって、デザイン情報を含む全ての資料は解放されていますが、物理的な資源は販売提供です。例えば、Thymio IIロボットは部品、生産工程、テスト、マネジメントと販売コストを踏まえた価格で提供されていますが、初期開発とライセンスは無償です。

     

    このプロジェクトの目的は商業とは異なりながらも、宣伝は必要とみなし、非営利団体のMobsyaを設立しました。利益は全てこの団体のみのものであり、このプロジェクトに再利用されます。Mobsyaはハードウェア生産を担い、典型的なオープンソースの方法でパートナーと協力し、ソフトウェアの開発とメンテナンスを行います。更に、Mobsyaはユーザーコミュニティの成長を促進する役割を担い、ユーザー同士のメーリングリスト、資料を含む共同ウェブサイト、フォーラム、見本、テクニカルサポートなどを実現します。Mobsyaは、ロボットの販売、研究プロジェクトへの参入、クラウドファンディング企画や寄付などを含む様々なソースから資金を得ています。